京都家具は質が高い?その理由は伝統工芸品、京指物にあった
京都といえば観光でも有名ですが、工芸の中心的な場所としても有名ですよね。
たとえば京指物のような京都の木工芸は、かつて全国の職人たちが学んで広めた優れたものでした。
その工芸文化は今も受け継がれ、高められ、現在の京都の家具に取り入れられています。
ここではそんな、京都の家具のあれこれについてご紹介します。
京都の質の高い家具、京指物とは
板と板、あるいは棒と板などを、釘を使わずに指し組み合わせる技術が用いられた、京都独特の木工芸のことです。
平安時代から受け継がれている技術で、昭和51年には経済産業省によって、伝統工芸品に指定されています。
奈良から遷都して京都が中心となってか確立されることになり、茶道の現場で使われる茶道具指物や、タンスや棚、机のような調度指物、木素材の特徴を活かした挽物などの家具があります。
特に桐のような高級素材を使ったものが代表的で、木の素材が持っている自然な風合いを活かした美しい家具になっています。
京都の家具ブランドも近年では活発に動いている
そんな質の高い京都の家具ですが、近年では、不況のせいもあってか安価な家具や量産品に売上で圧迫されている状況に追いやられています。
質の高い家具を丁寧に仕上げるということは、それだけ値段的にも高くなるということです。
ですから、高いものよりは安いものに流れてしまうのは致し方ないことだといえるでしょう。
ですが、京都の家具屋もそれで負けるつもりはないようで、平成30年からは京都府の家具組合連合会によって、京都家具のブランド化が推し進められています。
京都家具プロジェクトによって京都家具に認定された、京指物の技術が使われた家具や、京都にマッチする素材が使われた良質な家具たちには、認定シールが貼られています。
また、京都家具の取り扱い店舗には取扱店というプレートも用意されています。
良質な京都の家具が欲しいと思うのであれば、そういったお店を探し、認定シールが貼られているものを探してみると良いでしょう。
京都では伝統工芸の継承も進められている
京都では京都の家具職人を目指せる学校もあります。
そういった学校では、京指物の技術の継承も行なっており、一流の家具職人を目指すこともできるようになっているのです。
隙間がなくピッタリと組み合わさるように作る京都家具の技の妙、引き出しがすーっと出し入れできる精密さなど、何種類もの技術を学べます。
京都がいかに自分たちの優れた家具の文化を残そうと考えているかがわかりそうですね。
そういった学校を卒業後は家具職人、椅子職人、指物師など、さまざまなものを選べるようになっているようです。
京都の家具が購入できる場所とは
京指物をはじめとする京都の家具が買える場所は、京都にはいくつもあります。
たとえば京都市では、丸太町駅付近や京都市役所前駅付近などです。
京指物を取り扱っている家具屋や、京都ならではの質の高い家具を取り扱う家具屋、アンティークショップなどがこの付近には集中しています。
そのことから、もし京都で家具を購入するのを検討するのであれば、この付近を考えてみるのがおすすめです。
京指物資料館もあるので、京都の家具について詳しくなりたいという人は、ここを見て、京都の家具の良さについて知ってみるのも良いでしょう。
おわりに
京都の家具に関するあれこれについて見ていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
京都では京指物という伝統工芸品があり、高い技術で家具が作られています。
そしてそれらの家具は、京都市の家具屋に置かれていて、京都家具プロジェクトによって京都家具に認定されていれば、認定シールが貼られているので一目瞭然です。
昨今流行りの安めの家具も魅力的ではありますが、見た目に美しく頑丈で、さまざまな技法が凝らされた京指物のような京都の家具もまた、魅力があります。
興味がある人はぜひとも、家具屋で京都の家具を覗いてみてはいかがでしょうか。
きっとその美しさと確かな技術に感動を覚えるはずです。